キャンパスライフ
芸術文化教育(特別講座)
本学は芸術文化教育として「芸術鑑賞講座」と「教養講座」を実施しております。
芸術鑑賞講座
昭和22年、郡山女子大学の前身である郡山女子専門学院を開設した時、創立者の故 関口富左名誉学園長・名誉学長は地方と中央との教育の差は何かと考えました。豊富な自然、カリキュラム、教職員、どれを取っても遜色はありません。しかし、文化的な面はどうでしょうか。
当時、東京と郡山は国鉄(現JR)が唯一の足であり9時間から10時間の道程でした。地方での音楽会に演奏者を招くこともままならない。まして、戦後の混乱期に女子学生が上京して音楽や演劇、美術展等々の芸術を鑑賞することなどありえない時代でした。女子の高等教育の普及・向上を目指して開学した本学にあって、中央との文化的な格差を無くすことこそが教育であるとの信念から「感性の教育」が始まりました。地方において最高水準の芸術にふれる機会を設け、感動から得る人間性豊かな人材を育てる、この方針のもとに昭和23年6月、国立音楽学校の教授と学生合唱団を郡山に招いて「楽しい音楽の夕べ」を開催しました。
そして短期大学を開学した昭和25年には、近衛秀磨とエオリアンクラブ交響楽団の演奏会を実現させました。
こうして郡山女子大学が誕生した昭和41年までにのべ9回、自主運営の音楽鑑賞会を開催しました。資金に乏しい学園が実施した、学生の未来に夢を賭けた最高の贈りものでした。
翌42年から音楽鑑賞会は「芸術鑑賞講座」として衣更えし、教師による委員会を組織して作品を選考、自主運営の手作り鑑賞会をスタートさせました。以来平成23年度までの44年間に国内外で活躍する一流の芸術家や団体を本学へ招聘し、建学記念講堂大ホールで鑑賞しました。内容も音楽に限らず、演劇、歌舞伎、能楽、狂言、文楽、美術展と幅を広げ200回を超えました。学生は学内に居ながらにして芸術鑑賞の機会に恵まれました。
この「芸術鑑賞講座」は平成4年度から大学、短大のカリキュラムに組入れ、卒業のための必須科目として大学は4単位、短大は2単位を学生に課しています。
- 「芸術鑑賞講座」実施一覧 (抜粋)
- 鮫島有美子ソプラノリサイタル
- 劇団四季公演「クレイジー・フォー・ユー」
- 「追悼彫刻家佐藤忠良」展
- 「フランツ・リスト室内管弦楽団」
- 「ミラノ・クラシカ合奏団&森麻季」
- 吉田兄弟コンサート「三味線だけの世界」
- もみじ会展「斎藤清版画展」
- 劇団四季公演「ガンバの大冒険」
- 田部京子/カルミナ合奏団演奏会
- 角田弘司・純一漆芸二人展
- 春風亭小朝in郡山女子大学
- 劇団四季公演「SONG&DANCE」
- ミュージカルブッダ
- 報道写真パネル「福島の記録」展
- 「東儀秀樹コンサート」
- 小川典子ピアノリサイタル
- 沖仁フラメンコギターコンサート
- 喜多方市美術館主催「公募ふるさとの風景展」受賞作品展
- イ・ムジチ合奏団演奏会
- 東京演劇集団風「ハムレット」
- ベルリン交響楽団
- 学園美術系教職員作品展
- 劇団四季「ウェストサイド物語」
- ヴォーチェス8「クリスマスコンサート」
- ほか
教養講座
本学では、創立当初から「宗教学」を必須科目としてきています。これは特定の宗教について講義するものではなく、宗教的情操が人間形成に大きな役割を果たすものという考えより昭和40年から「宗教講座」を開催してきました。
のちに「教養講座」と名称を改め、講師も教養を豊かにするという意図で各界の著名人をお呼びして、教示を得ています。特に、創立50周年記念学術講演会(対談形式)では、哲学者である梅原猛先生と自然科学者である西澤潤一先生による「学問の行方—人間生活を基として—」と題する対談は、今後の学問の在り方およびわれわれの生活とのかかわり等についての示唆に富んだものであり、学生に深い感銘を与えました。
「教養講座」は「芸術鑑賞講座」同様単位を課しています。(創立50年学園史より)
- 「教養講座」実施一覧(抜粋)
- 遠山敦子「よりよく生きるために」
- 山折哲雄「宮沢賢治と私」
- 村上陽一郎「科学は変わる」
- 石川忠久「漢字と文化」
- 鎌田實「命は三つのつながりで守られている」
- 田渕久美子「女の道は一本道~篤姫的生き方~」
- 越川禮子「いきで素敵な江戸しぐさ」
- 玄侑宗久「日本人の基本ソフト」
- 山中一郎「ヒトはどのように賢くなってきたのか?」
- 川島隆太「脳を知り脳を鍛える」
- 堀池隆弥「東京スカイツリーの建設」
- 福岡伸一「生命とは何か?」
- C.W.ニコル「心に木を植える」山崎直子「宇宙からのメッセージ」
- 津野田・ジョイス・幸子「日本の女性に望むこと」
- 遠藤由美子「震災後の生き方」
- 福士千恵子「女性の100年とメディアの変化」
- さかなクン「水環境とお魚のお話」
- 池上彰「ニュースから未来が見える」
- 糠沢修一「時代認識とふくしま再生の道」
- 藤森照信「自然を生かした建築」
- 會田容弘「発掘ガールと考古学」
- 有森裕子「よろこびを力に...」
- ほか
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