Faculty interview

教員インタビュー

教員インタビューでは、
郡山女子大学・郡山女子大学短期大学部の先生方を紹介します

Q1. 現在、取り組んでいる研究内容について教えて下さい

A. 特別養護老人ホームで働いていた経験から、仕事によるストレスへの対策を研究テーマにしております。
前向きに生きている人たちが共通して持っている要因として、SOC(首尾一貫感覚)というものがあると、アントノフスキーが発表しました。このSOCを持っている人と言うのは、極限のストレスにさらされながらも、心身の健康を守ることができるだけでなく、そのストレスの経験を、成長の糧にさえしているのです。
私は、この概念が、多くのストレスを抱えながら働く介護職員のストレス対策に役立てられるのではないかと考えております。つまり、SOCが高くなれば、ストレス対処力を高める可能性があるので、どのようにしたらSOCを高められるか、その方法を探求しております。
 介護の仕事は、やりがいや達成感を得ることができ、人生の終焉に立ち会うという神聖な経験をさせて頂くこともありますが、一方では、夜勤など仕事環境からのストレスもあります。
我が国において、今後も重要になってくる介護の仕事をする方に、負担は軽減できることを伝え、また、その方法を提案できれば、と考えております。

Q2.担当されている講義では、どのような内容を、どのように教えているのですか。

A.介護の実践に関係する「生活支援技術」「介護の基本」「介護総合演習」「介護過程」などを担当しています。
介護は「誰にでもできる」というイメージがあるかもしれません。しかし、専門職として介護に求められることは、「介護されるその人がその人らしく生きられる」ように支援するということです。
 そのためには、理論や技術だけでなく、人を尊重する心と、その人らしい生活とは何かということを創造する力が必要になります。
例えば「食事をする」という、普段行っていることを、「食べることの目的とは何か」や、「より生活の質を上げるための方法」など、無意識に行っていることを常に意識し、なぜ行うかという根拠を明確に持つことの必要性を伝えております。そして、理論的思考だけではなく、体験することから得る学びが実践力に繋がると考え演習をしています。

Q3.先生の学生時代の様子について教えて下さい。

A.福祉について2年課程で学べる所は、都内に短大1校、専門学校2校でした。
そんな時代でしたので、女子寮は北海道から沖縄まで全国から集まり、福島から初めて出た私のカルチャーショックは大きいものでした。
 まずは、言葉の違いです。たとえば「お米を・・ひやす(銚子)・浸す(関東圏)・うるがす(福島)」など普通に伝わると信じていた私たちは、それから物言う毎にこれは標準語?と互いに確認・・・と言っても私の同室者は静岡県、右隣は北海道・青森県、左隣は栃木県・岩手県と標準語であるかの確認がとれない状況でした。結果、NHKが標準語だと気づき、意識してTVを聴くようになりました。
 習慣の違いもありましたが、互いに個性として認め合い、門限20時の女子寮生活は異文化の集合体で貴重な生活をしました。

Q4. 本学の学生や、これから本学で学ぼうとしている高校生に一言お願いします

A. 私の経験値からの一言は、「ひとは野に咲く花のように儚い存在」ですが、「可能性という大きな強みを持っている存在」でもあるということです。身体は多くの影響を受けています。それによっては、病気になることもたやすく、また、幸せと感じることも、健康を保つこともできます。
いろんなものに左右される儚い存在だと思います。しかし、回復するすべもあり、自身で「できない」というまでは多様な可能性が残されていることを実感しています。学生の方々はこれから、人生の選択をしていかれるでしょう。是非その時をチャンスにしてください。自分の可能性は自分で繋げることができます。
 最後に93歳の女性から頂いた言葉をみなさまに送ります。
 「泣いても一日、笑っても同じ一日だよ。どうせおんなじなら笑った方がいいじゃない」。

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